◆ MR. Fatherの「カレーの時間」 ◆

ラーメンに負けないカレーを探せ!

カレーを語る前に

PART1 「カレー」っていったい何?

◆「カレー」はどこの料理か ?

日本のカレーライス(イメージ)
日本のカレーライス(イメージ)

 「カレー」といえば元はインドの伝統的な料理であること知らない人はまずいない。だが日本人は一般的に「カレー」と言えば、皿に盛った白飯の上にとろみ のついたカレーをかけたいわゆる「カレーライス」をイメージする。この日本人の国民食となったカレー(カレーライス)はインド直ではなくイギリス経由で日 本に入り日本独自の発展を遂げ、本来のインド料理とは別物の既に日本の洋食として定着した食べ物であるということも、かなり多くの人が認識している。

◆「カレー」は日本固有の料理に !?

インドカレー(イメージ)
インドカレー(イメージ)

 昔聞かされた逸話で、インドからのお客さんに気を利かしたつもりで「カレーライス」を振る舞い、食後そのインドの客人から「こんなにおいしい日本料理は 初めて。料理名を教えてほしい」と、言われ、インド人もビックリではなく、もてなし側の日本人の方がビックリしたという話があった。「カレー」とくにカ レーライスはその頃から既に「完全に日本固有の食べ物」として定着していたということなのだろう。

◆えっ!「カレーの木」って?

滋賀県栗東市にあるカレーショップ(本文とは関係ありません)
滋賀県栗東市にあるカレーショップ(本文とは関係ありません)

 私がまだ小学校に上がる前だったと思うが、母親の実家へ遊びに行った際、カレーライス(当時はライスカレーと言っていた)をごちそうしてもらい、祖母が 赤い缶のカレー粉と小麦粉をフライパンで炒めて作る様を見ていて「カレー粉って何からできているの?」と尋ねた私の質問に、祖母が「カレーの実を乾燥させ てすり潰した粉だ」と教えてくれた。「カレーの木ってどんなの?大きいの?小さいの?」と尋ねた私に「インドにしかない木だから、おばあちゃんも見た事ない」と返され子供心に何となくそのまま納得してしまった記憶がある。

◆カレー粉はイギリス人の発明 !

カレー粉(イメージ)
カレー粉(イメージ)

 昔の日本人にはカレー粉が一つの種類の植物の実や種などを乾燥させて粉末にしたものであると信じていた人も多かったのだろう。まるで胡椒や一味唐辛 子などと同じように…。カレー粉が七味唐辛子のようなミックススパイスであると認識していた人は当時は少なかったのかもしれない。カレー粉がインド発祥で はなく、イギリス人の発明であること。また日本のカレーはインド料理としてではなくレシピも西洋料理として入ってきたことなど知る人は富裕層や当時のいわゆる「ハイカラ」と呼ばれた人たちで、それ以外の一般庶民にはそれほど知られていなかったに違いない。

 

 

PART2 簡易版 日本カレー発達史 !

◆日本のカレーの歴史は黒船来航からはじまった!

 日本人が最初にカレーと出会うのは江戸時代末期、ペリーの黒船来航をきっかけに鎖国に終止符を打ち開国した後の尊王攘夷運動が盛んな混乱期であったとい う。カレーが直接日本に伝わったのは横浜等の貿易港に作られた外人居留地で暮らすイギリス人からであったと言われている。ただ当時は、外人居留地に入れる 人間は極めて限られており、カレーが一般の日本人に知られるようになるのは明治時代になってからとなる。

◆日本でのカレー普及のきっかけを作ったのはクラーク博士!

 札幌農学校(現北海道大学)の「少年よ、大志をいだけ」で有名なクラーク博士が学生の栄養改善のため、西洋料理を推奨し、学生の米食を禁止します。ただ 「らいすかれいはこの限りにあらず」ということでカレーは規則の制約から除外される。この事から、「カレーライスは栄養豊富でバランスも良い食べ物」とい う認識が日本人に広まって行く。

 

◆カレーは高級で贅沢品!

 その後、カレーライスやステーキ、カツレツなど西洋料理を扱う飲食店が徐々に増えるものの、庶民的な和食の数倍もする価格から「洋食=高級料理」と してカレーもまだまだ庶民の料理にはなっていなかったが、明治時代後半頃から庶民的な洋食屋でのメニューに並ぶようになり、また裕福な家では、家庭で作っ たカレーを食べるという食習慣も始まるようになる。でも、まだこの当時は「カレー=庶民の食べ物」とはなっておらず、カレーは高級で贅沢な食べ物であっ た。

◆軍用食から一般家庭食へ

 カレーが庶民に広がるきっかけは、日露戦争であった。兵士に食べさせる食料として、日持ちがする食材でしかも一度に大量かつ簡単に作れる「カレー」に白羽 の矢があたることになる。軍用食として最適であることから、陸軍・海軍共に採用され、日本軍の兵士全員は軍隊でカレーの味や作り方を覚えることとなる。戦 争後にそれぞれの故郷に帰った兵士が家庭でカレーの作り方を教え、一般家庭でのカレー作りが一般化して行くことになる。

◆一般化・大衆化のスピードが加速!

 明治後期から昭和初期あたりまでは。まさにカレーがどんどん一般化・大衆化した時期で、それに合わせるように様々な新製品も発売されるようになる。日本郵 船の客船の一等食堂で「福神漬け」がカレーの付け合わせとして採用されたり、街の蕎麦屋で「カレーうどん」や「カレー南蛮蕎麦」が考案されたり、日本初の インスタントカレー「ライスカレーのたね」の発売や客船のシェフ考案の「ドライカレー」も明治時代後期の出来事である。

◆日本のカレーの原型が確立!

 大正時代になるとタマネギ、人参、ジャガイモなどの野菜も一般的になり、カレー作りに使われるようになることから日本のカレーの原型はこのころ確立されたと思われる。東京日本橋の岡本商店が「ロンドン土産即席カレー」というインスタントカレーを発売したのは大正3年の事。同7年には東京浅草の洋食店「河金」でカツカレーが考案されている。大正15年(昭和元年)には浦上商店(現ハウス食品)が「即席ホームカレー」(2年後に即席ハウスカレーに改名)を発売する。そしてカレーの発展は昭和時代へと引き継がれることとなる。

◆本格的な高級インド風カレーが誕生!

 昭和2年東京深川の菓子店「名花堂」(現カトレア洋菓子店)が日本初の「カレーパン」を考案。同じ頃東京新宿「中村屋」が本格的なインド風カレー「カリー・ライス」をメニューに導入する。これは既に安い食材を用いた経済料理となっていたカレーの状況を憂いた亡命中のインド独立運動家からの提言によるものだったという。彼を当時の中村屋の創業者が保護していたことから日本で初めて本格的な高級インド風カレーが生まれることとなる。

◆カレー粉は英国C&B社製がほぼ独占!

 大正時代から昭和初期にかけ、カレーは日本人の食生活に徐々に定着して行く。日本で初めて純国産の高品質なカレー粉を作り上げたのは、東京浅草の「日賀志屋」(現ヱスビー食品)であった。大正12年のことである。以前からもいくつか国産のカレー粉は発売されていた(明治38年の「蜂カレー」が初の国産化と言われている)が、国産のカレー粉は当初はあまり売れなかったらしい。というのも当時は日本に初めてカレーが作られた時からカレー粉はイギリスのC&B社の独占状態が続いていた。多くの飲食店が「カレー粉は高価であるがC&B社のものでないとカレーの味や香りは出せない」と信じて疑わなかったからである。

◆ある事件がきっかけで国産カレー粉が大躍進!

 昭和6年ある事件が起こる。C&B社製のカレー粉の容器に安い国産のカレー粉を入れて販売していた悪徳業者が摘発されたのである。この悪徳業者は長い間偽造カレー粉を販売し続けてきたが、摘発されるまでは誰もその事実に気がつかなかったという。すでに国産メーカーはC&B社製のカレー粉にも負けない高品質のカレー粉を作る能力を身につけていたが、「カレー粉=C&B」という世間の認識が国産カレー粉の市場への普及を妨げていたのである。しかし、この一件で国産カレー粉の評価が高まり、国産のカレー粉が普及していくこととなる。

◆戦争により食卓から消えたカレー!

 昭和6年、満州事変が始まり、昭和8年には日本は国際連盟を脱退する。この頃からスパイスの輸入量が減り始め、カレー粉原料の調達が難しくなっていく。昭和12年に日中戦争が勃発。翌13年の国家総動員法の制定による経済統制でカレー粉の生産に欠く事の出来ないスパイスの輸入が制限される。昭和14年からは生活必需品が切符制となり、国民の生活水準は日増しに低下して行くこととなる。そして昭和16年12月8日のハワイ真珠湾攻撃を期に日本は太平洋戦争に突入。東南アジア全域に拡大する戦争によって東南アジアのスパイス産業も大打撃を受けることとなる。当然カレー粉は著しい生産低下となり、一般国民の食卓にカレーが並ぶ事もなくなっていった。

◆「辛味入汁掛飯」の時代 !?

 一般国民の前からはほぼ姿を消したカレーではあるが、軍用食品として必要であったため、当時も軍に納入するため細々とカレー粉は生産されていた。当時陸軍では英語が敵性語として「カレーライス」も「辛味入汁掛飯」と呼ばれていたという。(海軍では普通に「カレー」とよばれており、この名称は一般にもあまり浸透しなかったらしい)ただ太平洋戦争末期は補給を絶たれた日本軍はカレーどころか他の食料も調達できない状況に陥って行く。そして沖縄占領、広島・長崎の原爆投下を経て昭和20年8月15日、日本は無条件降伏することになる。

◆戦後のカレー復興期 !

 戦後の日本復興に合わせカレーも復興期を迎える。闇市であり合わせの材料で作ったカレーが売られ、カレーメーカーも材料不足に悩みながらも精力的に産業復興への取り組みを始める。昭和23年には学校給食が始まり、カレーがメニューにも取り入れられる。カレー粉の生産量もGHQが放出したスパイスを使って回復して行く。昭和25年朝鮮戦争勃発により日本は特需景気に沸き、経済も急速に成長して行くこととなる。昭和26年サンフランシスコ講和条約が締結され、翌年に日本は主権を回復するとともにスパイスの輸入も再開され、多くのメーカーが乱立し続々と新製品を発売し競争も激化して行くことになる。

 

◆続々と新製品が登場 !!

 昭和20年(1945年)「オリエンタル即席カレー」発売。昭和25年(1950年)「明治キンケイミルクカレー」・「ベルカレールウ」発売。昭和29年(1954年)「ヱスビーモナカカレー」発売。昭和32年(1957年)「メタル即席印度カレー」発売。昭和35年(1960年)「ハウス印度カレー」・「グリコワンタッチカレー」発売。昭和37年(1961年)「オリエンタル・マースカレー」発売。昭和38年(1963年)「特製ヱスビーカレー」・「ハウス バーモントカレー」発売。昭和41年(1966年)「ヱスビーゴールデンカレー」発売。昭和43年(1968年)「ハウスジャワカレー」発売。「大塚食品ボンカレー」(日本初のレトルト)発売。昭和44年(1967年)「オリエンタル スナックカレー」(レトルト)発売。昭和46年(1971年)「ハウスククレカレー」発売。昭和53年(1978年)「大塚 ボンカレーゴールド」発売。名古屋でCoCo壱番屋1号店オープン。昭和55年(1980年)「ヱスビー フォン・ド・ボー・ディナーカレー」発売。昭和57年(1982年)「ヱスビー フォン・ド・ボー・ディナーカレー」(レトルト)発売。昭和58年(1983年)「ハウス ザ・カリー」・「ヱスビー カレーの王子様」発売。昭和60年(1985年)「ヱスビー カレーの王子様」(レトルト)発売。昭和61年(1986年)「ヱスビー ムツゴロウの味覚王国」発売。昭和61年(1986年)「グリコ LEE」(レトルト)発売。

 

◆カレー多様化の時代が始まる!

 1991年バブル崩壊により景気が悪化した頃からカレー多様化の時代が始まる。その店ならではのオリジナリティあるカレーを出す店が増え、レトルトでも消費者の嗜好に合わせた個性的な商品が増える。平成4年(1992年)カレーが初めて宇宙食となる。食べた人は日本人宇宙飛行士の毛利さん。スペースシャトル・エンデバーの船内でのことである。平成7年(1995年)「グリコ 熟カレー」発売。平成8年(1996年)「ハウス こくまろカレー」発売。平成10年(1998年)和歌山毒物カレー事件がおこる。平成12年(2000年)「グリコ LEE・辛さ×30倍 期間限定 辛さ増強ソースつき」発売。平成13年(2001年)「大塚 冷しカレー」発売。同年「横濱カレーミュージアム」オープン。同年ヱスビーから「こくまろカレー」発売。平成14年(2002年)ごろから札幌で「スープカレー」がブームとなり、その後全国に広がる。 平成16年(2004年)「グリコ カレーZEPPIN」発売。

 

◆カレーは更なる多様化と個性化の時代へ !

 カレーは増々の多様化と個性化の時代を迎え、日々進化を遂げている。札幌のスープカレーや横須賀の海軍カレーの他にも、金沢、鳥取、横浜、沖縄などご当地カレーが増え、名古屋や香川のカレーうどんも含め、町おこしにも一役買っている。街にはインド・パキスタンなどの本場系以外にも欧風カレーやオリジナルカレーなどのカレー専門店が増え、手軽さでウケるスタンドカレーの店も多い(ただ、このスタンドカレーショップは、全国的に見るとCoCo壱番屋の一人勝ち状態ではあるが)また喫茶店や居酒屋のランチでもカレーを売り物にする店も多い。それに加えてファミレスや牛丼店、コンビニなどでもカレーメニューを充実させているところも多い。

◆カレーは普遍的、しかも更なる進化を続ける !

  「カレー」は日本国民に完全に浸透したと言っても過言ではない。少子高齢化で日本の人口は減少傾向にあるとは言え、子供の数は以前に比べかなり少なくなったが、家庭向けのカレー製品(粉・ルー・フレーク・レトルト等)の国内での総販売量は減ってはいないという。大幅な伸びもないものの。ほぼ横ばいの出荷量だという。これは、裏を返せばカレーが子供の食べ物ではなく、大人や高齢者まで含めてかなりの年齢層をカバーする食べ物になっているということでもある。カレーはそれだけ日本人に日常の食べ物として浸透し尽くしたとも言えるかもしれない。今後人口の減少に比例してカレーの消費量は減って行くのかもしれないが、個人の嗜好やライフスタイルの多様化に合わせて、更に様々な新製品や専門店が出現してくるのであろう。ある意味楽しみでもある。

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